WAVE

７月は七夕、海開き。それで、川や海にちなむ歌を取り上げたいと思います。

WAVE
1967(Antonio Carlos Jobim) Martine Bron

So close your eyes for that's a lovely way to be
Aware of things your heart alone was meant to see

さあ、目を閉じて
それが、心に浮かぶものに気づく素敵な方法
二人で夢を見れば、淋しさも溶けていくから

ねえ、拒まないで
満ち潮を拒まないで、月や星を、そして僕を
二人で夢を見れば、淋しさも溶けていくから

君と出会ったとき、時刻は３時半になっていた
目と目が見つめ合ったとき、時間は永遠だった

いま、波がやって来る
ただその波のまま、恐れず僕を愛して欲しい
二人で夢を見れば、淋しさも溶けていくから

これはいきなりアダルトな曲。まさか、パッションな「波」のこととは思ってませんでした。溢れてくる情熱に身を任せて、愛し合おう。それが、人間が根源的に抱える孤独感を乗り越える、唯一つの道。いかにも60年代の哲学的な言い回しで愛を語る「ラブ＆ピース」な世界観。
ポルトガル語は『Vou Te Contar（君に伝えたい）』。ボサノヴァの神様アントニオ・カルロス・ジョビンの曲。ジョビンはたいてい、ポルトガル語の歌詞だけ書いて英語は他の人に頼むんですが、この「波」は御大自らの作詞。脚韻を踏んでるようで踏んでないのが、英語圏の作詞家と違うところ。

Wave
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有名なキリン盤。夏はこれをiPodに入れて聞き流しながら読書。良いです。歌なしの「波」が爽やか。40年前の音楽だと考えると、この軽さは斬新だったろうな。

Live at the Blue Note
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MPBの旗頭ガル・コスタ。MPBとは、Musica Popular Brasileiraの略で「反戦」と「脱植民地化」をポリシーに、60年代ブラジルで伝統音楽とロックを融合した音楽。ボサノヴァもその一つ。60歳超えても張りのある歌声で、ポルトガル語の「波」を歌っています。

At the Montreux Jazz Festival 1975
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英語で歌うとどんな感じになるんだろう？　そこはエラさんのジャジーな「波」で。モントルーのジャズフェスでジョビンの曲を取り上げてます。

Tudo Bem!
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パーカッションに合わせてジョー・パスのギター。速いテンポで「波」を奏でていきますが、熱くはならない。カラッと晴れた海辺を駆け出したくなるようなサウンド。

The Awakening
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マイルスが「俺のインスピレーションの源はアーマッドなんだ」と言ったアーマッド・ジャマル。ピッツバーグ生まれのイスラム教徒です。次にどんなフレーズが鍵盤から飛び出すか分からない発想の豊かさ。「波」も、彼が織りなす音の波に深く埋もれ沈んでいます。