GENTLE RAIN

傘も持たずに外出したら、にわか雨に降られて雨宿り。さすがに濡れて帰ると風邪引くよなあ、この季節は。


GENTLE RAIN
1965(Matt Dubey / Luiz Bonfa) Lark and Spur


We both are lost and alone in the world
Walk with me in the gentle rain


二人迷子となり、ここは誰もいない世界
この柔らかな雨の中、僕と歩いていこう


恐れることは何もないさ
僕の手は君の手を握りしめるためにある
愛する人がほしいなら、僕がそうなるよ


君の涙が僕の頬を伝って流れ落ちていく
それは温かく、まるで柔らかな雨のよう


元気を出して、かわいい人よ
全て失ったわけではないよ、僕がいるさ
二人の愛をとても甘い愛に育てていこう
甘く悲しい、まるでこの雨のような愛に


洋画を見てると、雨が降っても傘を差さないんだよなあ。あれは何かの根性試しなんでしょうか。もちろん「迷子」というのは比喩で、世間から追い出され、はぐれ者になっている二人。「雨」も「世間の冷たい仕打ち」を表しているのだろうけど、君といれば、その「雨」も優しげに感じる。君と僕がいる。そのことが、何物にも代え難い宝物。
1966年クリストファ・ジョージ主演の映画『ザ・ジェントル・レイン』の主題歌。ブラジルの若者の青春を描いているらしい。日本では未公開。音楽を『黒いオルフェ』のルイス・ボンファが担当し、エウミール・デオダートのオーケストラが演奏した。南半球のブラジルは今がちょうど「春」の季節だから、雨にぬれても大丈夫らしい。

ケニー・バロンに誘われニューヨークで活躍した寺井尚子さんによるヴァイオリン演奏。「金鳥の蚊取り線香」のCMの人です。


Non-Stop to Brazil
Non-Stop to BrazilLuiz Bonfá

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star円熟味のあるボンファの演奏

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ボンファは1922年のリオ・デ・ジャネイロ生まれ。ジャズ・ギタリスト。1959年の『黒いオルフェ』で「カーニバルの朝」などの名曲をヒットさせ、世界に知られるようになる。この「ジェントル・レイン」の頃はニューヨークに住み、アメリカで活動していた。それでも故郷の映画に貢献しようと、音楽担当の役を買って出たらしい。


The Shadow of Your Smile
The Shadow of Your SmileAstrud Gilberto

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starまあまあ、でしょうか
starそれほどボサ・ノヴァっぽくはないけれど
star素直に楽しみたい

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映画はブラジルとアメリカの合作とはいえ、それほど知名度は高くなかったと思われる。それを「歌」としてヒットさせたのが、アストラッド・ジルベルト。「彼女が歌えば、それがボサノヴァ」みたいな扱いを受けたけれど、ジョビンの曲とボンファの曲は違う音楽のように聞こえる。ボンファには哀愁がある。このアルバムでは、バックのギターをボンファ自身が手掛けている。


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The Best of George BensonGeorge Benson

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starギタリストベンソンを満喫

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20歳年下のジョージ・ベンソンは、まだジャズ・ギタリストをしてた頃(?)、このボンファと一緒に活動している。ウェス・モンゴメリに捧げる曲も入っていて、並々ならぬ意欲を感じるんだけど、どうしてポップ・シンガーになっちゃったんだろう?


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Tudo Bem!Joe Pass with Paulinho Da Costa

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starすごく今っぽい音!
starBossa Novaの名曲が。

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パーカッションのパウリーニョ・ダコスタ。リオ生まれで、映画『カラー・パープル』や『フットルース』の音楽に関わっていた人です。それと、ギターのジョー・パス。さらに、サブ・ギターにオスカー・カストロ=ネヴィス。個性の強いギターがぶつかり合っています(試聴はこちら)。
そんなわけで、どのアルバムも「ギター」のアルバムになってしまった。