EASY TO LOVE

昨日は炉開きの日。冬になり、囲炉裏を最初に使う日だったそうです。朝晩が寒いですからね。僕もファン・ヒーターを出しました。


EASY TO LOVE
1936(Cole Porter) Larry Blank


You'd be so easy to love
So easy to idolize all others above


君が僕を想ってくれるかなんて
そんなこと思い悩んだとしても
時間の無駄なのは分かっている


僕が君のこと愛してるだなんて
君は聴きたくないとは思うけど
でも、許してほしい
愛ゆえに僕は責められたくない


君には人に好かれる何かがある
賛嘆せずにおれない何かがある
心から渇望させる何かがある
暖炉を焚き続けたい何かがある


僕たちは気ままに暮らしてきた
友だち付き合いで来たけれど
そろそろ僕との未来を考えよう
でないと、きっと後悔するはず
だって君には
人に好かれやすい何かあるから


keep every homefire burning for は「暖炉を焚きたい」ということから「温かい家庭を築きたい」という意味の慣用句になってます。これから寒くなるものねえ。「君はきっと後悔するよ」と言いながら、その理由が「他の男たちも、君のことが好きになるに違いないから」だと言うんじゃ、後悔するのは自分のほうじゃないでしょうか。
1936年映画『踊るアメリカ艦隊(Born to Dance)』の挿入歌。コール・ポーターが1934年ミュージカル『エニシング・ゴーズ』のために書いていた曲だが、「歌いにくい」とクレームが付いたのでお蔵入りになっていた。ポーターの伝記映画では必ず出てくる曲(『夜も昼も』『五線譜のラブレター』)。


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コール・ポーターの曲を集めたアニタ・オディのアルバム。キャピタル・レコードの花形アレンジャー、ビリー・メイが、ポーターの一世代古い懐メロを「今風」に編曲し直し、アニタの才能を引き出してます。1959年当時のアメリカは景気が良かったんだろうなあ。悲しい歌まで元気いっぱいな歌に変身してる。


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ラス・フリーマンがピアノで煽りながら、チェット・ベイカーにトランペットを吹かせている感じ。「お前は歌わなくていいんだ。トランペットだけで充分勝負できる」。次々とフレーズを引き出されていくと、チェットの明るく悲しい音色が輝き出してきます。「Easy to Love」には、本人の気づいていない魅力を引き出す力があるのかな。


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最後は、心静かにビル・エヴァンススコット・ラファロを失い、失意のどん底にあっても、鍵盤から叩き出される音色は美しい。君は良いヤツだった。亡き人への想いの「Easy to Love」。