IF I SHOULD LOSE YOU

5月に入ってから、暑かったり寒かったり。とても気候が不安定。日本にも大地震が来る前触れかな。


IF I SHOULD LOSE YOU
1935(Leo Robin / Ralph Rainger) Inma Lazaro


If I should lose you
The stars would fall from the sky


あなたがいなくなったら
星たちは空から落ちるでしょう
あなたがいなくなったら
木々の葉は萎み枯れるでしょう


五月を迎えた小鳥たちも
悲しげな歌をただ繰り返すだけ
雨の音から逃れるように
私もあてど無くさ迷うでしょう


あなたがいてくれるなら
雪降る季節にもバラの花は開き
あなたがいてくれるなら
木枯しが吹くこともありません


私はあなたに愛を捧げて
夢のような日々を過ごしました
なのにあなたを失ったら
生きる意味などあるでしょうか


ジャズのラブソングは、そこに「神への愛」を秘めています。だから、「愛されて幸せでした」ではなく、「愛してきて幸せでした」。受け身の愛ではなく、能動的な愛です。特にこの歌は、最初から「あなた」が「神様」であったので、なおさらのこと。「雪の中にバラが咲く奇跡」が読み込まれていても、それは大袈裟な表現ではありません。これには悲痛な物語が隠されているのですから。
1935年映画『ロジータ(Rose of the Rancho)』の挿入歌。『蝶々夫人』を書いたデーヴィッド・ベラスコが原作のオペラ。1848年の米墨戦争で、メキシコ領のカリフォルニアがアメリカ合衆国に占領された時代。アメリカの略奪が行われる中、メキシコ人の女性ロジータカストロが男装して、勇敢にアメリカ軍と戦い、そして死ぬ物語。メキシコ版ジャンヌ・ダルクで、彼女は「ランチョ(牧場)のバラ(Rosita)」と呼ばれた。歌は、ロジータ役のグラディス・スウォータウトが歌っている。当時、アメリカが悪役のこの映画は黙殺されたが、歌はジャズとして受け継がれている。

イタリアのピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシ澤野工房が後押ししてます(品番:SDV005)。


Charlie Parker with Strings: The Master Takes
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star甘ったるい
star1940年代のムード・ミュージックが聴ける。考えようによっては凄くお得だ(笑)
starバードをたっぷりと聴くならこれだと思うけどな

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どうしても出てきてしまいますね。バードの「ウィズ・ストリングス」。ジャズがただの「ムード音楽」だと思われ、そうした扱いを受けていた1940年代。でもその中でバードは「歌」を失わない。全然オーケストラと雰囲気が合わないのですが、それでもバックの演奏を活かしながら自分を表現しています。きらめくような美しいアルト・サックスの音色。


Soul Station
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starハンクモブレーの良さが出た一枚
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star地味だが奥深い、そんな形容詞が似合うモブレーのベストプレー盤

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ブルーノートの定番。ウィントン・ケリーのピアノにアート・ブレイキーのドラム。それを背景にハンク・モブレーが書きなぐるテナー・サックスの色彩は、まるで映画のワン・シーンのようです。深く奥行きがあり、悲しみに満ちている。


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star最高の1枚(落ち着きます〜!癒されます〜!)
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ニーナ・シモンの「ルーズ・ユー」。もともとこの曲自体、マイナーから始まりメジャーへと転調するのですが、その心理的な変化を歌の情感で表現しています。奈落の底の絶望から、わずかに見える希望の光へと。


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star参った・・・。
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フュージョンの16ビート・ドラムを作り上げたハービー・メイソン。ハンク・ジョーンズハービー・ハンコックデイブ・グルーシンブラッド・メルドー。21世紀を代表するピアニストを一人ずつ呼び出して、腕試しです。誰が来ようと、その最高の演奏を引き出す。それがリズム・セクションのお務め。「ルーズ・ユー」はチック・コリアが参加して、モダンで明るい作品に仕上げています。