I LOVE YOU PORGY

今週末はバレンタイン。


I LOVE YOU PORGY
1935(DuBose Heyward / Ira & George Gershwin) Chris McNulty


I love you Porgy
Don’t let him take me
Don’t let him handle me
And drive me mad


ポーギー、あなたを愛しています
だから、あの人に私を渡さないで
あの人は酷い扱いをしてくるから
気が狂ってしまいそうなほどです


もしあなたが許してくださるなら
このままそばに居させてください
あなたとここでいつまでもいたい
それは本当どんなに幸せなことか


いつの日かあの人が帰って来て
また私を押さえつけるでしょう
そうなったら死んでしまいます
心の深い処が死んでしまいます
でも呼ばれたら私は拒めません


もしあなたが守ってくださるなら
このままそばに居させてください
あなたとここでいつまでもいたい
私は愛する人を見つけたのだから


世界一のモテ男ポーギー。だって女性シンガーなら誰もがこの歌を歌い、「アイ・ラブ・ユー、ポーギー」と呼びかけるのだから。そもそも、その「モテ」の秘訣は何でしょう? この歌詞からは分からないですね。彼の魅力はどうやら原作のなかにあるようです。
邦題『愛するポーギー』。1935年オペラ『ポーギーとベス』の挿入歌。当時の貧しい黒人社会の様子を描いたドラマ。酒場で開かれた賭事でケンカが起こり人が死に、殺した男は逃走する。取り残された、男の愛人。それがベス。誰も関わりを持とうとしない中で彼女の力になってくれたのは、生まれつきの正義漢ポーギー。ポーギーの優しさと明るさに接するうち、やさぐれていたベスもやがて、忘れていた自分らしさを取り戻していく。そして歌われるのが、イエスに捧げる「ドクター・ジーザス」とこの歌(YouTube)。ポーギーの中に「神様」を見てるんだから、並みの男では勝てません。


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歌うだけで独自の世界を作り上げてしまうニーナ・シモン。1958年デビュー・アルバム『Little Girl Blue』の一曲。でもこの曲で、その年の全米トップ40に入っています。ピアノもまた良い。


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『ポーギーとベス』ってどんな曲が入ってるの? そう思ったら、このアルバム。1958年。『クールの誕生』から10年経って、さらにクールで切ないマイルスのトランペット。


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star騒ぐ客さえいとおしい。
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あの『Waltz for Debby』のライブ盤。唯一のスコット・ラファロ参加ライブです。エヴァンスはこの曲がとてもお気に入りで、ソロ・ピアノの『ソロ・セッション』や、ゴメス加入後の『モントルー・ジャズ・フェスティバル』でも「ポーギー」を演奏しています。年を追うごとに内省的になっています。



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慢性疲労症候群から回復しつつあるキース。自宅でのソロ演奏の最初に「ポーギー」を持ってきています。これはやはり、ポーギーに「イエス」を見て、神への感謝の歌になるという解釈が入っているのかな。