BLUES IN THE NIGHT
新月の夜も休まず、歌を綴ろう。世界を憎む歌を。(by 筋肉少女帯)
BLUES IN THE NIGHT
1941(Johnny Mercer / Harold Arlen) Karen & Jay
My mama done tol' me
When I was in knee pants
まだ俺が半ズボンを履いてた頃
お袋が俺によく言ってたもんだ
「女は甘い言葉で近づいてきて
お前に色目を使ってくるけれど
女とは二つの顔を持つ生き物。
いつかお前は夜に打ち捨てられ
ブルースを歌うハメになるのさ」
そして今、雨が降り始めてきた
ほら、汽車の音が聞こえてくる
ウーイー、淋しげな警笛の音だ
土手を横切って吹き抜けていく
「ウーイー、デュ、ウーイー」
カタコトと古びた線路が軋むと
それが夜の奏でるブルースの唄
もしも夜風が木々を泣かせ始め
お月さまがその光を消したなら
誰にでもブルースが聞こえる筈
嘘じゃない、俺を信じておくれ
マネシツグミが悲しい唄を歌う
「正しいことなど何一つない」
そうさ、全くお前の言う通りだ
ナチェズからモウビールに流れ
メンフィスからセントジョーへ
大都会を渡り歩き暮らしてきた
美味い話を腹いっぱい聞かされ
学んだのはたった一つの事だけ
「人は二つの顔を持つ生き物」
独り残され俺はブルースを歌う
世の中、嘘と偏見で出来ている。なにも当てになるものなど有りはしない。株を買えば株は暴落。どこぞの首相は責務を放り出して首のすげ替え。ニコニコ顔で話しかけてくる奴には下心。キレイごとのお題目ばかりがまかり通って、誰も本当のことを言わない。人間には二面性がある。嘘に騙されるのは、騙されるほうが悪いのさ。
邦題『夜のブルース』。1941年同名映画の主題歌。白人ジャズバンドが、獄中で黒人たちが歌う「夜のブルース」を聞き、自分たちの持ち歌にして旅回りをする話。次々と登場人物が死んでいくのだから、これは呪いのかかった歌と言わねばなるまい。映画より先に「夜のブルース」の曲はエラ・フィッツジェラルドが歌い、またダイナ・ショアの初ヒットにもなって知名度が高く、その年のアカデミー歌曲賞を獲得。映画『オーシャンズ11』でも使われている。
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