GOODBYE

さようなら、2008年。今年もいろいろありました。一番のショックは円高ですかね。ドル建てで貯金してあったのに。


GOODBYE
1934(Gordon Jenkins) Jay Clayton


I'll never forget you
I'll never forget you


決してあなたを忘れない
決してあなたを忘れない


決してあなたを忘れない
あの日そう固く約束したのに
ずっと互いを愛し続けようと
決してさよならは言わないと


でも今となると遠い昔のこと
もう覚えてないだろうね
なぜかと問うても無駄なこと
さあ、ここで別れを告げよう
ため息と共に愛は終わる


それでも僕たちは生きていく
お互いに自分の生き方で


あなたが高い道を行くのなら
僕は低い道を歩むだろう
その別れのときがやってきた
きっと、これで良かった


でも、去り往く前に口づけを
そしてお幸せに、さようなら


何事も移り変わっていく。「あなた」を嫌いになったわけではない。ただ、二人の歩む道が別々に分かれていくだけのこと。しかし「高い道」ということは「あなた」は上り調子なんだろうか。すると「僕」は下降気味ということになるなあ。大殺界だったのでしょうかね。きっと来年は運も上昇しますよ。お互い、がんばりましょう。
1934年にゴードン・ジェンキンスが書いた「ブルー・セレナーデ」という曲が原曲。これをベニー・グッドマンがアレンジして1935年にレコード化した。今度はそれを基にジェンキンス自身が歌詞を付け「グッバイ」と改題。以後ベニー・グッドマン楽団のクロージング・テーマ(演奏の最後に流れる曲)として使われるようになり(YouTube)、多くの歌手に歌われるようになった。1955年映画『ベニイ・グッドマン物語』でもベニー・グッドマンが屋根に上り、一人でこの曲を吹いている。

別にクラリネットの曲というわけではない。オスカー・ピーターソン「グッバイ」


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ビッグバンドの演奏で、最後に流れるとピッタリ来るのが「グッバイ」。ネルソン・リドル楽団をバックにリンダ・ロンシュタットがジャズに転向した最初のアルバム。物悲しい余韻を残してショーは幕を閉じる。


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ある意味、ありそうで無さそうな取り合わせ。二人ともマイルスの『Kind of Blue』で演奏していながら、火と水のようなもの。燃える炎のキャノンボール・アダレイと氷のように冷たいビル・エヴァンスが共演しています。でも相性は良いです。1961年録音。「Walz for Debby」にキャノンボールのサックスが加わるなんて面白い。「グッバイ」も二人の個性を引き出し合っていて絶好調です。


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ところが、この1961年夏にスコット・ラファロが突然亡くなってしまう。ビル・エヴァンス・トリオは解散。エヴァンスは新しいメンバーを捜して、ヴァーヴに籍を移しました。移籍後最初のアルバムがこれ。ベースはモンティ・バドウイッグで、ドラムがシェリー・マン。しかし選曲を見ても、まだ立ち直っていないのかも知れない。「ダニー・ボーイ」も「グッバイ」もラファロへの鎮魂歌。愛する友よ、さようなら、と。


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別れには、それを告げる側と告げられる側とがある。これはジーン・アモンズ最後のアルバム。1974年。ナット・アダレイケニー・ドリューがサポートしていますが、やはりアモンズの晴れ舞台。モダン・ジャズが興隆してきた1960年代でも、頑なにレスター・ヤングばりのビバップ・スタイルを守り、「シカゴ派」を作り上げた人です。サックスが景気良く泣いています。思う存分、豪放に暴れます。元気を与えてくれます。そういう別れ方もあるのかも知れない。